作文・小論文指導のポイント

作文・小論文は、多くの生徒が苦手とする分野ですが、入試や実社会で求められる重要なスキルです。個別指導塾での丁寧な指導により、生徒の表現力と論理的思考力を大きく伸ばすことができます。

本記事では、作文・小論文指導の効果的な方法を、基礎から応用まで実践的に解説します。

目次

• 作文・小論文指導の重要性
• 作文と小論文の違い
• 基礎指導のポイント
• 添削の方法
• テーマ設定と課題
• レベル別指導法
• 入試対策
• よくある課題と対処法

作文・小論文指導の重要性

1. 入試での重要性

出題傾向

• 公立高校入試：多くで出題
• 私立高校：推薦入試で重視
• 大学入試：小論文必須の学部多数
• AO入試：最重要課題

配点の大きさ

• 国語の20-30%
• 推薦入試では50%以上
• 合否を分ける要素
• 差がつきやすい

2. 実社会での必要性

社会で求められる力

• 論理的思考力
• 表現力
• 情報整理能力
• 説得力

活用場面

• レポート作成
• プレゼンテーション
• ビジネス文書
• コミュニケーション

3. 指導の難しさ

よくある問題

• 何を書けばいいか分からない
• 構成が組み立てられない
• 語彙が少ない
• 論理が飛躍する
• 添削に時間がかかる

作文と小論文の違い

1. 作文の特徴

目的

• 体験や感想を表現
• 感性を育てる
• 情景描写
• 心情表現

評価ポイント

• 表現の豊かさ
• 描写の具体性
• 独自性
• 感動を与えられるか

対象

• 小学生-中学生
• 高校入試
• 読書感想文
• 日記・手記

2. 小論文の特徴

目的

• 意見を論理的に述べる
• 問題解決を提案
• 説得力のある主張
• 客観的な分析

評価ポイント

• 論理性
• 根拠の妥当性
• 説得力
• 構成の明確さ

対象

• 高校生以上
• 大学入試
• AO入試
• 就職試験

基礎指導のポイント

1. 構成の基本

三段構成（起承転結）

序論（導入）

• 問題提起
• テーマの提示
• 背景の説明
• 全体の約20%

本論（展開）

• 具体例
• 根拠の提示
• 論理展開
• 全体の約60%

結論（まとめ）

• 主張の再確認
• 今後の展望
• 自分の決意
• 全体の約20%

2. 型の指導

基本の型を習得

第1段落：
「私は〇〇だと思う。なぜなら...」

第2-3段落：
「例えば...」
「また...」

第4段落：
「以上のことから、〇〇である。」

型から応用へ

• まず型を覚える
• 繰り返し練習
• 徐々にアレンジ
• 自分のスタイル確立

3. 文章の基本ルール

読みやすい文章

• 一文は短く（40-60字）
• 段落を適切に分ける
• 接続詞を効果的に使う
• 主語と述語を明確に

避けるべき表現

• 話し言葉
• 曖昧な表現
• 感情的すぎる表現
• 差別的な表現

添削の方法

1. 添削の基本姿勢

良い点を見つける

• まず褒める
• 良い表現を指摘
• 成長を認める
• やる気を引き出す

具体的な指摘

• 「良い」ではなく何が良いか
• 改善点を明確に
• 理由を説明
• 修正例を示す

2. 段階的な添削

第1稿：構成と内容

• 全体の流れ
• 論理の一貫性
• 内容の深さ
• 根拠の妥当性

第2稿：表現と文章

• 文のねじれ
• 適切な接続詞
• 語彙の選択
• 表現の工夫

第3稿：細部の修正

• 誤字脱字
• 句読点
• 原稿用紙の使い方
• 字数調整

3. 効果的なコメント

良いコメント例

• 「この具体例が説得力を高めている」
• 「ここの表現が読者の心に響く」
• 「論理展開が明確で分かりやすい」

改善を促すコメント

• 「ここで具体例があると良い」
• 「この主張の根拠は？」
• 「段落を分けるとより読みやすい」

4. 添削記号の活用

基本的な記号

• ○：良い表現
• ？：意味不明・要確認
• △：改善の余地
• →：言い換え提案
• 【 】：削除提案
• ∧：挿入提案

テーマ設定と課題

1. 作文のテーマ

小学生向け

• 「夏休みの思い出」
• 「将来の夢」
• 「大切な人」
• 「初めての経験」

中学生向け

• 「中学校生活で学んだこと」
• 「尊敬する人」
• 「社会の課題について」
• 「10年後の自分」

2. 小論文のテーマ

入門レベル

• 「スマートフォンの功罪」
• 「環境問題について」
• 「理想のリーダー像」

応用レベル

• 「少子高齢化と地域社会」
• 「AI時代の教育」
• 「グローバル化と文化」

3. 課題文型

要約型

• 課題文を読んで要約
• 200字程度
• 要点把握の練習

意見論述型

• 課題文を読んで意見
• 600-800字
• 論理的思考の練習

レベル別指導法

1. 初級（小学生-中学1年）

目標

• 型を覚える
• 400字程度書ける
• 基本的な構成

指導内容

• 文の書き方
• 段落の作り方
• 具体例の入れ方
• 原稿用紙の使い方

練習方法

• 短い作文から
• テンプレート活用
• 穴埋め練習
• 模範例の視写

2. 中級（中学2-3年）

目標

• 600字程度書ける
• 論理的な構成
• 説得力のある内容

指導内容

• 論理展開
• 根拠の示し方
• 具体例の選び方
• 表現の工夫

練習方法

• 定期的な課題
• 相互評価
• 複数回の推敲
• 過去問演習

3. 上級（高校生以上）

目標

• 800字以上書ける
• 高度な論理展開
• 独自の視点

指導内容

• 批判的思考
• 多角的な視点
• 反論への対応
• 高度な表現技法

練習方法

• 時事問題討論
• 課題文分析
• 時間制限演習
• 専門分野の論文

入試対策

1. 高校入試対策

出題形式

• 体験作文：200-400字
• 意見文：400-600字
• 条件作文：指定条件あり

対策のポイント

• 過去問分析
• 時間配分練習
• 頻出テーマ対策
• 条件確認の徹底

2. 大学入試対策

出題形式

• 小論文：600-1200字
• 課題文型
• 資料分析型
• 問題解決型

対策のポイント

• 志望学部の傾向分析
• 専門知識の習得
• 時間内完成の訓練
• 論理的思考の強化

3. AO入試対策

求められる力

• 志望動機の明確化
• 将来ビジョン
• 学部適性
• 独自性

対策のポイント

• 自己分析
• 志望理由の深掘り
• 複数回の推敲
• 面接との一貫性

よくある課題と対処法

1. 書き出せない

原因

• 何を書けばいいか不明
• 完璧を求めすぎ
• 経験不足

対処法

• ブレインストーミング
• キーワード出し
• とにかく書いてみる
• 失敗を恐れない

2. 内容が薄い

原因

• 抽象的すぎる
• 具体例がない
• 考えが浅い

対処法

• 具体例を3つ考える
• 5W1Hで深掘り
• 他者の意見を聞く
• 本や記事を読む

3. 論理が飛躍

原因

• 因果関係の誤り
• 前提の不明確さ
• 論理展開の不足

対処法

• アウトライン作成
• 接続詞の確認
• 第三者に読んでもらう
• 推敲の徹底

4. 時間内に書けない

原因

• 計画不足
• 推敲に時間をかけすぎ
• 書き直しが多い

対処法

• 時間配分の計画
• アウトライン作成
• 一発勝負の練習
• タイムトライアル

成功事例

事例1：苦手克服で志望校合格

課題

• 中3男子、作文が大の苦手
• 200字も書けない
• 高校入試で作文必須

指導内容

• 型の徹底指導
• 週1回の作文課題
• 丁寧な添削とフィードバック
• 過去問演習

結果

• 6ヶ月で400字スムーズに
• 入試で高得点
• 志望校合格
• 自信の獲得

事例2：AO入試で第一志望合格

取り組み

• 高3春からの指導開始
• 自己分析の徹底
• 志望理由書の複数回推敲
• 模擬面接との連携

結果

• 説得力のある志望理由書
• 面接でも高評価
• 第一志望校AO入試合格
• 入学後も高評価

事例3：作文教室で差別化

展開

• 作文専門コースの新設
• 月2回の作文教室
• 読書感想文コンクール対策
• 保護者向け説明会

結果

• 30名の生徒が受講
• コンクール入賞者多数
• 地域での評判向上
• 他科目への波及効果

まとめ

作文・小論文指導は、生徒の表現力と論理的思考力を育てる重要な取り組みです。

指導のポイント

• 基礎からの段階的指導
• 型の習得から応用へ
• 丁寧な添削とフィードバック
• 継続的な練習
• 入試対策の充実

成功のカギ

• 生徒の良い点を見つける
• 具体的な改善提案
• 書く楽しさの体験
• 達成感の積み重ね
• 個別のニーズ対応

作文・小論文指導を通じて、生徒の表現力を伸ばし、将来に役立つスキルを育てましょう。

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