個別指導塾の面談完全ガイド【保護者面談・生徒面談の進め方】
「面談で何を話せばいいかわからない」「面談の時間が足りない」「保護者との信頼関係をもっと深めたい」
個別指導塾にとって、保護者面談や生徒面談は、信頼関係を築き、継続率を高めるための重要な機会です。しかし、面談の進め方に悩んでいる塾長や講師の方も多いのではないでしょうか。
この記事では、個別指導塾における効果的な面談の進め方を、準備から実施、フォローアップまで包括的に解説します。
なぜ面談が重要なのか
1. 信頼関係の構築
定期的な面談は、保護者・生徒との信頼関係を深める最も効果的な手段です。
面談の効果:
- 顔を合わせてコミュニケーション
- 塾の取り組みを直接伝えられる
- 保護者・生徒の不安や悩みを聞ける
- 相互理解が深まる
2. 退塾の防止
面談を定期的に実施している塾は、継続率が高い傾向にあります。
面談が退塾を防ぐ理由:
- 不満や不安を早期にキャッチ
- 問題が大きくなる前に対処
- 塾への信頼感が高まる
- コミュニケーション不足による誤解を防ぐ
3. 成績向上のための連携
保護者・生徒・塾の三者が連携することで、効果的な学習支援が可能になります。
三者連携のメリット:
- 家庭学習の状況を把握
- 保護者の協力を得られる
- 生徒のモチベーション向上
- 一貫した指導方針
4. 追加受講・紹介の促進
面談は、追加受講や紹介を促す機会でもあります。
面談での提案機会:
- コマ数の増加
- 科目の追加
- 季節講習の案内
- 兄弟・友人の紹介
面談の種類と実施タイミング
定期面談
年に2〜3回、全生徒を対象に実施する面談です。
実施タイミングの例:
年3回実施の場合:
- 4〜5月: 新学年スタート後の面談
- 7〜8月: 夏休み前後の面談
- 11〜12月: 2学期終了時の面談
年2回実施の場合:
- 7〜8月: 夏休み前後の面談
- 12〜1月: 冬休み前後の面談
面談の頻度:
- 最低でも年2回は実施
- 受験生は年3〜4回が望ましい
- 問題がある生徒は随時追加
入塾面談
新規生徒の入塾時に実施する面談です。
入塾面談の目的:
- 生徒の現状把握
- 目標の確認
- 指導方針の説明
- 塾のルール説明
実施タイミング:
臨時面談
必要に応じて実施する面談です。
臨時面談が必要なケース:
- 成績が大きく下がった
- 欠席が続いている
- 保護者から相談があった
- 進路変更を検討している
- トラブルが発生した
面談の準備(1週間〜前日)
効果的な面談には、入念な準備が不可欠です。
ステップ1: 面談日程の調整・予約
日程調整の方法:
1. 早めの案内
- 面談希望日の1ヶ月前には案内
- 複数の候補日時を提示
2. 予約方法の選択肢
- 電話予約
- メール・LINE予約
- Webフォーム予約(じゅくのすけ等のシステム活用)
3. リマインダーの送信
- 面談の1週間前
- 面談の前日
- 当日朝(必要に応じて)
日程調整のコツ:
- 平日夜(19:00〜21:00)と土曜日を中心に設定
- 1枠30分〜40分で設定
- 余裕を持ったスケジュール(枠間に10分の余裕)
ステップ2: 資料の準備
面談で使用する資料を事前に準備します。
準備すべき資料:
1. 成績資料
- 定期テストの点数推移グラフ
- 前回との比較
- 目標との差
2. 出席状況
3. 学習状況
- 授業での様子
- 理解度
- 宿題の提出状況
- 講師からのコメント
4. 今後の学習計画
5. 提案資料
- コマ数増加の提案(必要な場合)
- 季節講習の案内
- 新しい学習プラン
ステップ3: 面談シートの作成
面談の流れをスムーズにするため、面談シートを用意します。
面談シート例:
【面談シート】
生徒名: ________________ 学年: ______ 実施日: __________
1. 最近の様子
- 成績: □良好 □普通 □要改善
- 授業態度: □良好 □普通 □要改善
- モチベーション: □高い □普通 □低い
2. 前回面談からの変化
- 良くなった点: _________________________________
- 課題: _______________________________________
3. テスト結果(直近)
科目 | 点数 | 前回比 | 目標
--------|------|--------|------
数学 | | |
英語 | | |
4. 今回の面談で伝えること
- _____________________________________________
- _____________________________________________
5. 保護者・生徒からの相談事項(予想)
- _____________________________________________
6. 提案事項
□ コマ数増加 □ 科目追加 □ 季節講習 □ その他: ______
ステップ4: 面談の流れの確認
面談の流れを事前にシミュレーションしておきます。
基本的な面談の流れ(30分の場合):
- アイスブレイク(3分)
- 最近の様子の報告(7分)
- 成績・テスト結果の説明(5分)
- 今後の学習計画(5分)
- 保護者・生徒からの質問・相談(7分)
- 提案・まとめ(3分)
面談の実施(当日)
面談の基本マナー
心構え:
- 時間厳守(開始・終了)
- 真摯な態度
- 傾聴の姿勢
- 前向きな雰囲気作り
環境設定:
- 静かな場所を確保
- 机と椅子を適切に配置
- 資料を整理
- お茶の準備(必要に応じて)
保護者面談の進め方
1. アイスブレイク(3分)
まずは緊張をほぐし、和やかな雰囲気を作ります。
話題例:
- 最近の天候や季節の話
- 生徒の最近の良い変化
- 前回面談からの時間の経過
ポイント:
- 笑顔で明るく
- ポジティブな話題から
- 保護者の緊張を和らげる
2. 最近の様子の報告(7分)
生徒の授業での様子を具体的に伝えます。
伝えるべき内容:
良い点を先に伝える:
- 「最近、〇〇ができるようになりました」
- 「授業態度が良くなっています」
- 「質問が増えてきました」
課題も正直に伝える:
- 「一方で、〇〇はまだ苦手にしています」
- 「宿題の提出が遅れることがあります」
- 「集中力が途切れることがあります」
具体例を挙げる:
- 「先週の授業で、〇〇の問題が解けるようになりました」
- 「先日のテストで、ケアレスミスが3問ありました」
ポイント:
- 良い点と課題をバランスよく
- 具体的なエピソードを交える
- 客観的な事実を元に説明
3. 成績・テスト結果の説明(5分)
資料を見せながら、成績について説明します。
説明の仕方:
数字で見せる:
原因分析:
- なぜ上がったか・下がったか
- どの単元が弱いか
- 学習時間は十分だったか
前向きな表現:
- 「あと〇点で目標達成です」
- 「この調子で続ければ、次回は〇点を目指せます」
- 「〇〇を克服すれば、さらに伸びます」
4. 今後の学習計画(5分)
次のテストまでの具体的な計画を提示します。
計画の内容:
- 重点的に学習する単元
- 授業での取り組み
- 家庭学習でやってほしいこと
- 次回テストの目標点数
保護者への協力依頼:
- 「ご家庭でも〇〇を見守っていただけますか?」
- 「宿題の確認をお願いできますか?」
- 「学習時間を確保できるようサポートをお願いします」
5. 保護者からの質問・相談(7分)
保護者の話をしっかり聞きます。
よくある質問・相談:
- 「家で勉強しないのですが、どうすれば?」
- 「このままで志望校に合格できますか?」
- 「コマ数を増やした方がいいですか?」
- 「他の科目も見てもらえますか?」
対応のポイント:
- 最後まで聞く
- 共感を示す
- 具体的な解決策を提案
- すぐに答えられない場合は持ち帰る
6. 提案・まとめ(3分)
必要に応じて提案を行い、面談をまとめます。
提案例:
- 「もう1科目追加すると、さらに成績が伸びると思います」
- 「夏期講習で苦手単元を集中的に復習しませんか?」
- 「週2回に増やすことで、定着度が高まります」
まとめ:
- 今回の面談のポイントを振り返る
- 次回面談の時期を伝える
- 感謝の言葉
三者面談(保護者+生徒)の進め方
保護者と生徒が同席する三者面談の場合は、生徒への配慮が必要です。
進め方のポイント:
1. 生徒に話を振る
- 「最近、勉強はどう?」
- 「前回のテスト、どうだった?」
- 生徒の意見を聞く
2. 生徒の前で叱らない
- 課題は伝えるが、責めない
- 改善点を一緒に考える姿勢
3. 生徒のモチベーションを高める
- 良い点を積極的に褒める
- 「できる」という自信を持たせる
- 目標を一緒に設定
4. 保護者と生徒の橋渡し
- 双方の意見を聞く
- 誤解を解く
- 家庭での協力をお願い
生徒面談(生徒のみ)の進め方
生徒だけとの面談は、よりリラックスした雰囲気で進めます。
面談のポイント:
1. 生徒の本音を引き出す
- 「最近、何か困ってることある?」
- 「塾の授業、分かりやすい?」
- 「何か不満や要望はある?」
2. 目標を一緒に考える
- 「次のテスト、何点取りたい?」
- 「どの高校(大学)に行きたい?」
- 現実的で達成可能な目標設定
3. 学習方法のアドバイス
- 効果的な勉強法を教える
- 時間の使い方
- モチベーション維持の方法
4. 悩み相談
- 勉強以外の悩みも聞く
- 友人関係、部活、進路
- 信頼関係を深める
面談後のフォローアップ
面談で終わりではなく、その後のフォローが重要です。
面談内容の記録
面談の内容を必ず記録しておきます。
記録すべき内容:
- 面談日時
- 参加者
- 話し合った内容
- 保護者・生徒からの要望
- 塾からの提案
- 次回までのアクションアイテム
記録の活用:
- 次回面談の準備に使う
- 講師間での情報共有
- 問題が起きたときの確認
面談後の対応
面談で約束したことは、必ず実行します。
対応例:
- 提案した学習計画の実施
- 追加資料の送付
- 講師への指示(面談内容の共有)
- コマ数変更などの手続き
フォローアップの連絡
面談から1〜2週間後に、簡単なフォローアップを行います。
連絡方法:
連絡内容:
- 面談のお礼
- その後の様子の報告
- 面談で約束したことの進捗
面談でよくある失敗パターン
失敗1: 準備不足で内容が薄い
問題:
- 資料が用意できていない
- 何を話すか決まっていない
- 場当たり的な面談になる
対策:
- 事前に資料を準備
- 面談シートを作成
- 話すポイントを整理
失敗2: 塾側が一方的に話す
問題:
- 保護者・生徒の話を聞かない
- 時間配分が偏る
- 不満や悩みを聞けない
対策:
- 傾聴の姿勢
- 適度に質問を投げかける
- 保護者・生徒の発言時間を確保
失敗3: 悪い点ばかり伝える
問題:
- 課題や問題点ばかり指摘
- 保護者・生徒が落ち込む
- やる気を失う
対策:
- 良い点を先に伝える
- 課題は改善可能な形で伝える
- 前向きな雰囲気を保つ
失敗4: 時間をオーバーする
問題:
- 予定時間を大幅に超過
- 次の面談に影響
- 保護者の予定を狂わせる
対策:
- タイムキーパーを意識
- 話が逸れたら軌道修正
- 重要な話から優先的に
失敗5: フォローアップがない
問題:
- 面談で終わり
- 約束したことを忘れる
- 次回まで連絡なし
対策:
- 面談内容を記録
- やるべきことをリスト化
- 定期的な連絡
じゅくのすけで面談を効率化
じゅくのすけを活用することで、面談の準備・実施・記録が効率化できます。
じゅくのすけでできること:
-
面談日程の調整
- 保護者がオンラインで予約
- 自動リマインダー送信
- 講師のスケジュール管理
-
面談資料の自動生成
-
面談記録の保存
- 面談内容の記録
- 過去の面談履歴の閲覧
- 講師間での情報共有
これらの機能により、面談準備の時間を大幅に削減し、より質の高い面談に集中できます。
まとめ: 定期的な面談が信頼と継続率を高める
個別指導塾における面談について、準備から実施、フォローアップまで解説しました。
効果的な面談の5つのポイント:
- 入念な準備: 資料・面談シートを事前に用意
- 良い点から伝える: ポジティブな雰囲気作り
- 傾聴の姿勢: 保護者・生徒の話をしっかり聞く
- 具体的な計画: 次回までの学習計画を明確に
- フォローアップ: 面談後の連絡・対応を忘れずに
面談の実施頻度:
- 定期面談: 年2〜3回(全生徒対象)
- 入塾面談: 新規生徒入塾時
- 臨時面談: 必要に応じて随時
面談の効果:
- 信頼関係の構築
- 退塾率の低下
- 成績向上のための連携
- 追加受講・紹介の促進
定期的な面談は、保護者・生徒との信頼関係を深め、継続率を高める最も効果的な手段です。しっかりと準備し、丁寧に実施することで、塾の評判向上と経営の安定につながります。
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